ホメオパシー 統合医療専門校 CHhom
CHhom ホメオパシー 講演会
ギッタ・マラスと3人の友人たちの、第二次世界大戦の最中に体験した物語です。 ギッタのみが生き残り、この体験を世の中へ公開する事が出来ました。 今まで私の書いてきたものは、こちらに「日々の糧」 http://angelos.ti-da.net/ に移動いたしました。

2016年04月14日

第二部 ブダペストでの対話

“あなた方は神によっており、
神はあなた方によっています”


ナチスの軍隊がハンガリーを侵略した直後から、ユダヤ人迫害が始まりました。
地方に住んでいるユダヤ人たちが、最初に強制収容所に送られることになりましたが、
私達も地方に住んでいました。
首都ブダペストではまだユダヤ人の逮捕は始まっていませんでしたが、
首都に通じる道はすべてナチスによる厳しい検問下にあり、ユダヤ人が都市に逃れるのを阻止しようとしていました。

そうした状況にもかかわらず、ハンナとヨゼフは危険な地方区域からブダペストへ逃れる決心をしました。
誰も住んでいないハンナの両親のアパートで、今後の成り行きを見届けるつもりでした。
私も彼らと一緒に行くことを望み、ある晩遅く、私達はブダリゲットを出発し、ブダペストの西部に広がる暗い森をぬって、見張りのいない隘路(あいろ)を行きました。

私が先頭を歩き、ハンナとヨゼフが少し後に続きました。
こうしてついに、私達は大きな市電駅のヒュヴォシュヴェルジにたどり着き、私達は人目につかずに町の
雑踏に紛れることができました。